タカコナカムラ からのメッセージ

「Whole Food」との出会いは、1984年、マクロビオティックを学ぶために滞在していた、アメリカ遊学中のことでした。
安全な食が食べたいなら、農業のこと環境のことを考えなければ成り立たないだと気づきました。当時、日本では「自然食」「正食」という言葉が使われていました。「自然食」を実践し、こよなく愛していた私でしたが、「自然食」という言葉には、病気を治すようなイメージがあり、どこか暗い響きがあると感じていました。何か別の表現はないものか…。
そんな時に出会ったのが、「Whole Food」だったのです。私の目指す安全な食が当たり前であり、豊かな自然溢れる世界をイメージにぴったりでした。1989年に自然素材の菓子屋をはじめたとき、そのお菓子のコンセプトを「Whole Foodなお菓子」にしようとWhole Foodというキーワードを使いはじめました。
残念ながら、広がることもなく、ようやく理解されるようになったのは、21世紀に入ってからでした。オーガニックや LOHASという言葉が使われるようになり、ちょっとだけWhole Foodにも小さな光が差し込むようになりました。
マクロビオティックやローフードなど多様な食スタイルも広く認知されるようになり、今度は、それらとどこが違うの?という人たちが増えてきました。
私は1989年から一貫して「Whole Foodでいこう」と主張をしてまいりました。
食材の選び方や調理法を指すのではなく、健康食としてのオーガニックブームではなく、日本の素晴らしい食文化と美しい自然をずっと残していきたいと願う気持ちに迷いがありません。
それは、全国各地には、素晴らしい知恵と技術をもった生産者のみなさんがあり、「商品を売るため」だけではない、魂のこもったモノ作りの現場を知っているからです。
素直に、この人たちの作る製品を残したい、繋げたい、多くの人に伝えたいと思いました。
イタリアのスローフード協会があり、絶滅していく貴重な食材や技を残していく活動があります。
日本には、国としてのその支援がありません。
それに準ずるものをホールフード協会として未来につなげていこうと思います。
料理家としてやれる最大限のことを生きている間に残していくつもりです。
Profile
1957年 山口県山陽小野田市割烹料理店に生まれる。
京都産業大学経営学部卒業。
アメリカ遊学後に「Whole Food」の概念を発案。
安全な食と暮らしと農業、環境をまるごと考えるホールフードを提唱。
1989年 自然素材のお菓子ブラウンライスを創業。
2003年 表参道に「ブラウンライスカフェ」オープン。ホールフードスクール開校。
2006年独立 自由が丘に「タカコナカムラホールフードスクール」開校。
その後、移転。2008年 一般社団法人ホールフード協会を設立 福岡校開講。
2011年 大田区洗足池を本拠地として本格的にホールフードを発信。
料理家としては、「50℃洗い」「ベジブロス」「塩麹」「スーパーフード」などの食のトレンドをつくり発信。2019年には老化物質「AGE」を抑える調理法として、低温調理を提唱。新しいホールフードの料理法の集大成の年に。
安全な食材、オーガニックの食材を使っての健康的な料理レシピ開発や発酵食を使うレシピ開発には定評があり。
パートナーは、イタリア料理店の名店「リストランテ アクアパッツア」オーナーシェフ日高良実氏(http://acqua-pazza.jp)